BOMシステムの導入コスト(価格)はどれくらい?BOM計算も併せて解説
「BOM(部品表)計算ってなんのこと?」「BOMシステムの導入にはどれくらいのコストが必要?」
このような疑問を持っている方もいるはずです。BOM計算とは、原価ロールアップおよび販売価格計算のことです。
BOM計算を効率的に実施するためには、「BOMシステム」が必要です。このBOMシステムは部品表を管理する仕組みのことで、製品によって初期コストが大きく異なります。
そこで本記事では、BOM計算の基礎概要や種類、BOMシステムの導入コストを解説します。最後までご覧になれば、低価格でBOMシステムを導入する方法が理解できるはずです。
BOM(部品表)計算とは?
BOM(部品表)計算とは、原価ロールアップおよび販売価格計算のことです。BOM計算はあらゆる項目のデータソースを用いて、製造品目の標準原価を計算します。
このデータソースと言われる項目には、品目や部品表の工順、間接原価の計算式、および原価バージョンが含まれます。BOM計算には複数の種類があり、それぞれ別の用途が設定されています。
BOM計算の種類
BOM計算の種類を詳しく解説します。代表的な種類としては、以下の5つがあげられます。
1.標準原価でのBOM計算
2.予定原価でのBOM計算
3.予備原則を使用したBOM計算
4.推奨販売価格のBOM計算
5.注文ごとのBOM計算
それぞれの特徴を理解することで、BOM計算をより深く理解できるはずです。1つずつ順番に見ていきましょう。
標準原価でのBOM計算
標準原価でのBOM計算では、「原価」「原価グループ」の購買済品目情報が使用されます。
購買済品目の原価では、標準原価用の原価バージョン内において、サイト固有の原価レコードとして管理します。各原価レコードには有効日が設定されており、BOM計算日によって用いられる原価レコードが定まります。
一方、原価グループの場合は、製造品目の算出原価における原価区分の基準を提供します。これら標準原価でのBOM計算を使用すれば、BOM計算グループに埋め込まれている警告条件により、潜在的な問題を特定することが可能です。
そのほか、標準原価の原価バージョン内のポリシーは、複数のBOM計算ポリシーの実施を必須指定できます。
予定原価でのBOM計算
予定原価でのBOM計算は、5つのBOM計算ポリシーの実施をオプションとして必須指定できます。ポリシーは既定値のみの指定も可能です。
なお、原価バージョン内の品目原価レコードを、購買品目の原価貢献度のソースにできるほか、品目に割り当てられているBOM計算グループでソースの定義もできます。
予備原則を使用したBOM計算
予備原則を使用したBOM計算の原価計算バージョンでは、新しい品目やコストの変更を表す保留中のコストレコードなど、標準コストの緩やかな変化を含めることが可能です。
また、予備原則を使用したBOM計算により、ほか原価計算バージョン内の有効な標準コストの使用を識別できます。
推奨販売価格のBOM計算
推奨販売価格のBOM計算では、原価バージョン内における保留中の販売価格レコードを生成します。 品目原価の計算ページなど、計算の詳細を表示するための開始点を提供することも可能です。
なお、販売価格レコードは主に参照情報として機能することから、販売注文の販売価格の基礎としては使用されません。
注文ごとのBOM計算
注文ごとのBOM計算では、製造が完了した品目のBOM計算における変動を表すことが可能です。関連して行われるBOM計算としては、以下のような品目があげられます。
・販売注文
・販売見積
・サービス注文明細行
また、注文ごとのBOM計算においては、常にコンポーネントや原価カテゴリ、間接原価の計算式が使用されます。
BOM計算を効率化するBOMシステムとは?
BOM計算については大まかに理解できたと思いますが、この販売価格計算はどのように効率化すれば良いのでしょうか?その鍵となるのが「BOMシステム」です。
BOMシステムとは、部品表を効率的に管理するための仕組みのことです。製品に必要な部品情報を統合的に管理できるだけでなく、各部門への情報提供をスムーズに行えます。
従来の紙やエクセルで行うBOM計算とはまったく異なるもので、人為的な二重入力や作成ミスなどを防止できます。より複雑なBOM計算をする際にも有効です。
また、BOMシステムはBOM計算に役立つだけでなく、生産管理においても効果的であるため、多くの製造会社が導入しています。最近では、中小の製造会社も導入しているほど、BOMシステムへの注目が集まっています。
BOMシステムの機能
BOMシステムにはさまざまな機能が搭載されています。代表的な機能としては、以下の3つがあげられます。
BOMシステムの機能 | 内容 |
BOM(部品表)管理機能 | ・部品表や設計、生産などを属性ごとに管理できる ・どこに何のBOMがあるのかが明確になるため、部品表の間で矛盾が生じづらくなる ・部品表以外にも製品の製造工程に沿って管理できる ・製品が完成するまでにかかる時間が明確になる |
BOM(部品表)更新機能 | ・自動的に部品表の変更履歴を管理してくれる ・設計部門で情報共有が容易になるため、伝達漏れや設計ミスを防止できる |
製品管理機能 | ・製品を属性ごとにわかりやすく管理できる ・製品情報を紐付けて登録できるため、製品の図面を探す手間が省ける |
これら機能を用いれば、BOM計算や生産管理を効率化できます。なお、BOMシステムについては「いま話題のBOMシステムとは?活用するメリットや機能性を解説」で詳しく解説しています。
業務に合わせてカスタマイズするのが一般的
一般的なBOMシステムは、業務にフィットさせた形で導入することがほとんどです。業務に合わせて導入すれば、より効率的な管理に繋がります。
ただし、その場合はBOMシステムを導入するまで、一般的に1年以上の時間がかかってしまいます。導入までに時間を要するのは、業務に合わせてカスタマイズするための要件定義や開発などが要因です。
また、トライ&エラーで仕様の見直しが発生し、費用がかさむ可能性もあります。コンサル会社などの介入で、検討期間を充分にとる企業も多いため、比較的体力のある企業でないとBOMシステムの導入は難しいとされます。
しかし、最近は月額制の低価格BOMの登場により、スモールスタートが可能になりました。BOMに業務を合わせる形で、これまでコスト面を懸念して導入できなかった企業のBOMシステム活用が加速しています。
BOMシステムの導入時に必要な初期コスト
そもそもBOMシステムは製品数がそこまで多くないため、初期コストの相場を算出することは困難です。また、料金形態もシステムによって異なることから、「初期コストはこれくらい」と一概に表すことができません。
そのため、以下2つの料金形態に分類し、初期コストの目安をそれぞれ解説します。
・一括買い切りタイプ
・月々支払いタイプ
前途の通り、明確な基準を表すことができないため、あくまで目安として捉えましょう。
一括買い切りタイプ
ほとんどのBOMシステムが「一括買い切りタイプ」で販売されています。製品によって初期コストは大きく異なりますが、およそ数十万円〜数百万円のコストが必要です。
また、機能が豊富なBOMシステムの場合はさらに高額になりやすく、100万円以上の製品も中にはあります。
このように、一括買い切りタイプは初期コストが高めに設定されていますが、購入後は料金の支払いがほとんど発生しません。導入時に莫大な費用がかかることから、大企業向けにBOMシステムだと言えるでしょう。
月々支払いタイプ
BOMシステムには「月々支払いタイプ」も存在します。サブスクリプション方式のBOMシステムで、初期コストがほとんどかかりません。
毎月サービス料を支払う必要があるものの、そのコストはそこまで高額ではなく、使い方次第では1万円前後で済むケースもあります。
製品によってはコスト0円から導入できるものもあるため、金銭的に余裕がない中小企業に向いています。
BOMシステムの初期コストを抑える方法
BOMシステムの初期コストを抑える方法は、大きく分けて以下の3つが考えられます。
1.フリーソフトを利用する
2.月額制サービスを利用する
3.エクセルで代用する
「予算をあまりかけられない」という企業は、以下詳細を参考にしてみてください。自社にとって適した導入方法が見つかるはずです。
方法1.フリーソフトを利用する
1つ目の方法は、フリーソフトの利用です。あまり種類は多くありませんが、BOMシステムにもフリーソフトが存在します。
フリーソフトなので初期コストや月々の料金は基本的に発生しないため、予算を大幅に抑えられます。
しかし、中には課金制のサービスもあることから、すべての機能が必ずしも無料で使えるとは限りません。
また、有料版のBOMシステムに比べて機能が大幅に劣るため、「やりたいことができない」「かえって不便になってしまった」というケースも考えられます。
それらのことから、「フリーソフトはあくまで体験版」という認識で利用しましょう。
方法2.月額制サービスを利用する
コストを抑えたい場合、月額制サービスを利用するのも1つの手です。月額制サービスは初期コストがほとんどかからないため、予算に余裕がない企業でも導入しやすい傾向があります。
また、毎月支払う料金もそこまで高くないほか、製品によっては無料期間を設けている場合もあります。「試しに使ってみて合わなかったらやめる」といった利用の仕方も検討可能です。
スモールスタートを考えている企業は、BOMシステムの無料体験から始めてみましょう。
方法3.エクセルで代用する
3つ目は、エクセルで代用する方法です。そもそもエクセルはBOMシステムではありませんが、工夫することで類似的な管理を可能にします。
また、エクセルを使用できる環境であれば、初期コストが一切かからない点も魅力的です。さらに、エクセル内でBOMを管理するだけなので、エクセルを使用できれば専門的なスキルは必要ありません。
なお、エクセルでの管理方法は、大きく分けて以下の2つが考えられます。
管理方法 | 特徴 |
単票タイプ | 従来から使用されている紙の部品管理と同じような方法 |
在庫移動表タイプ | 横軸に日付を設定し、縦軸に型番や商品名を入力していく方法 |
それぞれの管理方法は、人によって向き不向きがあります。エクセルでの管理を検討している企業は、どの方法が適しているのか確認してみてください。
なお、エクセルを使ったBOMの管理は「製造業の部品管理はエクセルでも可能?メリット・デメリットを詳しく解説」で解説しています。
低コストで運用できる「Celb」
本サイトを運営する株式会社クラステクノロジーは、「Celb」というBOMシステムを提供しています。本サービスは月額制のBOMシステムで、初期コストは基本的に一切かかりません。
部品マスタ機能やBOM機能、管理者支援機能など、豊富な機能が備わったBOMシステムであるものの、月額コストを抑えた運用が可能です。
また、オンラインマニュアル、お役立ち動画、サポートデスク、無料相談など、サポート体制も万全なので、初めてBOMを運用する企業でも安心して導入できます。
2ヶ月間の無料体験を実施しているため、「予算を抑えてBOMシステムを運用したい」という企業様は、「Celb」をぜひ一度ご検討ください。
なお、無料期間が終了しても、自動で有料プランになることはありません。無料期間から有料期間への切り替えは、事前にご了承をいただいた上で手続きします。
まとめ
本記事では、BOM計算の基礎概要や種類、BOMシステムの導入時に必要なコストを解説しました。
BOM(部品表)計算は、原価ロールアップおよび販売価格計算のことで、大きく分けて5つの種類に分類されます。このBOM計算を効率化させるためには、BOMシステムが有効です。
BOMシステムの導入コストは一概に表せませんが、「一括買い切りタイプ」と「月々支払いタイプ」の2種類に分けられます。低予算で製品を導入したい企業は、月々支払いタイプがおすすめです。
なお、本サイトを運営する株式会社クラステクノロジーも、「Celb」というBOMシステムを提供しています。本サービスはBOMシステムでありながらも、操作性がシンプルで直感的に管理できます。
また、月額制のBOMシステムであるため、初期費用を抑えた運用が可能です。具体的な導入コストが知りたい方は、ぜひお気軽にご相談くださいませ。
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