2022.02.08

製造業の部品管理はエクセルでも可能?メリット・デメリットを詳しく解説

「製造業の部品管理はエクセルでやるべき?エクセルでの管理方法は?」

そういった疑問を持つ人もいるはずです。製造業における部品管理はエクセルでも行えます。エクセルは始めるまでのハードルが低く、誰でも簡単に利用できるというメリットがあります。

しかし、いくつかのデメリットも伴うため、良い点・悪い点の両方を知った上で検討することをおすすめします。

そこで本記事では、部品管理をエクセルで行うメリット・デメリット、エクセルで行う方法について解説します。最後までご覧になれば、エクセルで管理する利便性を理解できた上で、自身に合った管理方法を見つけられるでしょう。

部品管理とは?

部品管理とは、企業が所持している部品の数量や場所を管理することです。製造業においては重要な業務で、適切に実行すれば製品を過不足なく供給できます。

反対に部品管理を疎かにした場合は、過剰在庫や在庫不足に陥り、機会損失を招いてしまいます。それに伴い、顧客からの信用を失ってしまうほか、売上の低下に繋がる恐れもあるのです。

このように、製造業における部品管理は絶対に避けられない業務であるため、多くの製造会社が部品管理に注力しています。

部品管理を行う方法

部品管理を行う方法はいくつか考えられます。多くの企業が採用している方法としては、「紙」「エクセル」「BOMシステム」の3つがあげられます。

それぞれの方法にメリット・デメリットがあるものの、多くの企業が採用している方法はエクセルを使った部品管理です。詳しい特徴については次項で解説します。

部品管理をエクセルで行う3つのメリット

部品管理をエクセルで行うメリットは、大きく分けて3つ考えられます。1つずつ詳しく解説します。

メリット1.手軽に始められる

エクセルで行う1つ目のメリットは、手軽に始められることです。Windows系の多くのパソコンにはエクセルがインストールされているため、運用コストを抑えられます。

また、エクセルの操作性は多くの人が認識していることから、管理・共有を容易に行えます。「パソコンの操作が苦手」という人でも、手軽に始められるのがポイントです。

メリット2.紙よりも管理がしやすい

エクセルは紙よりも管理がしやすいというメリットがあります。紙での部品管理は情報の紛失リスクがあるほか、データを復元・複製することが困難です。

一方、部品管理をエクセルで行えば、バックアップを容易に取れるため、万が一データを紛失しても安心です。また、部門が違っても情報をスピーディに共有できます。

メリット3.専門知識が必要ない

エクセルで管理するメリット3つ目は、専門知識が必要ないことです。多くの人がエクセルの操作に慣れているため、専門知識がなくても容易に扱えます。

また、エクセルでの管理はシンプルでわかりやすいのが特徴です。新しいスキルをわざわざ身につける必要がないため、「日々の業務に追われている」という方でも有効活用できるでしょう。

部品管理をエクセルで行う2つのデメリット

部品管理をエクセルで行えば複数のメリットが見込めるものの、反対にデメリットが伴うこともあります。以下2つのデメリットを理解した上で、エクセルでの管理を検討しましょう。

デメリット1.人によってやり方が異なる

デメリット1つ目は、人によってやり方が異なることです。エクセルは良い意味でも悪い意味でも、ほとんどの人が操作方法を知っています。

しかし、やり方は人それぞれであるため、勝手に設定をいじってしまったり、保管場所を変更してしまったりする場合があります。

管理する人が変わるたびに設定が変更されると、かえって生産性を落としてしまう可能性があるのです。

その場合、あらかじめルールを細かく決めておくことで、エクセルによる適正管理に繋がります。ファイルの置き場所や取り扱いルールを定め、効率的に管理しましょう。

デメリット2.使える機能が限られている

使える機能が限られていることもデメリットだと言えます。紙を用いた部品管理と比べると、さすがにエクセルのほうが利便性に優れています。

しかし、本格的なBOMシステムと比較した場合、機能性に大きな差が生まれてしまいます。そのため、「社内全体に情報をスムーズに共有したい」「便利な機能を使って効率的に管理したい」という場面では、本格的なBOMシステムに分があります。

部品管理をエクセルで行う2つの方法

エクセルを使った部品管理の方法は、大きく分けて2種類あります。それぞれの方法を理解した上で、自身に適した方法を選択しましょう。

方法1.単票タイプ

単票タイプは、従来から使用されている紙の部品管理と同じような方法です。この単票タイプは「吊り下げタイプ」とも言われます。

具体的には、型番と商品名を表に入力したあと、横軸に入庫や出庫、残高などの項目に入力します。昔から紙で管理していた人にとっては、この単票タイプのほうが扱いやすいためおすすめです。

方法2.在庫移動表タイプ

在庫移動表タイプは横軸に日付を設定し、縦軸に型番や商品名を入力していく方法です。単票タイプは1つの表で1つしか部品を管理できませんが、在庫移動表タイプであれば1つのエクセルシートで複数の部品を管理できます。

また、在庫移動表タイプは複数の管理をひと目で確認できるものの、入出庫の細かい情報を入力できないというデメリットがあります。部品の詳細を入力したい場合は、単票タイプを選択しましょう。

部品管理を効率化するBOMシステムとは?

ここまで、エクセルを使った部品管理について解説しました。エクセルでの管理は紙に比べると効率的ですが、BOMシステムと比較すると機能性が劣ってしまいます。そのため、部品管理を効率化したい場合は、BOMシステムが第一選択肢となるでしょう。

そもそもBOMシステムとは、部品表を効率的に管理するための仕組みのことです。製品に必要な部品情報を統合的に管理できるだけでなく、各部門への情報提供をスムーズに行えます。

エクセルよりも機能が豊富であるため、部品管理をより効率的に実行できます。エクセルに比べて操作性は難しいものの、活用できれば大きなメリットが見込めるでしょう。

BOMシステムの機能

BOMシステムには多種多様な機能が存在します。代表的な機能は以下の通りです。

BOMシステムの機能内容
BOM(部品表)管理機能・部品表や設計、生産などを属性ごとに管理できる
・どこに何のBOMがあるのかが明確になるため、部品表の間で矛盾が生じづらくなる
BOM(部品表)更新機能・自動的に部品表の変更履歴を管理してくれる
・設計部門で情報共有が容易になるため、伝達漏れや設計ミスを防止できる
在庫管理機能・部品表以外にも製品の製造工程に沿って管理できる
・製品が完成するまでにかかる時間が明確になる
製品管理機能・製品を属性ごとにわかりやすく管理できる
・製品情報を紐付けて登録できるため、製品の図面を探す手間が省ける

このように、BOMシステムにはさまざまな機能が備わっています。

部品管理をBOMシステムで行うメリット

BOMシステムを導入することで、エクセルよりもスムーズに部品管理を行えます。また、部門間の共有を素早く行えるため、業務全体をスピーディに進められます。

さらに、BOMシステムには自動的に部品表の変更履歴を管理してくれる機能や、製品を属性ごとにわかりやすく管理できる機能が備わっているため、人為的なミスを大幅に削減できます。

そのほか、過去に使った部品を瞬時に探せるというメリットもあることから、業務全体を効率的かつ正確に進めることが可能です。

なお、BOMシステムについて詳しく知りたい方は「いま話題のBOMシステムとは?活用するメリットや機能性を解説」をご覧ください。BOMシステムをより深く理解できるはずです。

まとめ

本記事では、部品管理をエクセルで行うメリット・デメリット、エクセルで行う方法について解説しました。

部品管理とは、企業が所持している部品の数量や場所を管理することです。管理する方法はいくつか考えられますが、一般的にはエクセルを使って管理しています。

しかし、部品管理に効率性を求めるのであれば、BOMシステムを用いた管理方法がおすすめです。操作性はエクセルよりも複雑ですが、業務全体を効率的かつ正確に進められます。

なお、本サイトを運営する株式会社クラステクノロジーも、「Celb」というBOMシステムを提供しています。本サービスはBOMシステムでありながらも、操作性がシンプルで直感的に利用できます。

また、月額制のBOMシステムであるため、初期費用を抑えた運用が可能です。BOMや部品管理に関する質問や相談も承っておりますので、ぜひお気軽にご相談くださいませ。

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