BOM(部品表)を管理する3種類の方法を解説!それぞれのメリット・デメリット
製造業においてBOM(部品表)は重要な役割を持ちます。BOMを適切に管理できれば、製品の品質向上やスムーズな供給へと繋がるでしょう。
BOMの代表的な管理方法としては、「紙」「エクセル」「BOMシステム」の3種類があげられます。企業によって適した方法が異なるため、それぞれの方法を十分に理解した上で選択しましょう。
本記事では、BOMの代表的な管理方法、効率的に管理できるBOMシステムを解説します。最後までご覧になることで、自身に合ったBOMの管理方法が見つかるはずです。
BOM(部品表)とは?
BOM(部品表)とは「Bill Of Materials」の略称で、部品表のことを指します。製品を製作する際に必要な部品をまとめた一覧表です。
製造業では製品を1つ完成させるだけでも、いくつもの複雑な部品を使用することがあります。それら部品の詳細を正確に把握し、社内で素早く共有する際に必要な一覧表、それがBOMです。
BOMの種類
BOMにはさまざまな種類が存在します。「登録方法」と「用途」によって分類することができます。
登録方法によるBOMの種類
BOMは登録方法によって「サマリ型」と「ストラクチャ型」に分けられます。特徴は以下の通りです。
登録方法による種類 | 特徴 |
サマリ型 | 製品を構成する部品や原材料の所要量を一覧にまとめる |
ストラクチャ型 | 製品の構成をツリー形式の階層構造で管理する |
用途によるBOMの種類
用途に応じた代表的なBOMとしては、以下の4つがあげられます。
用途による種類 | 特徴 |
E-BOM(設計部品表) | 製品に必要な部品や技術情報をまとめた一覧表 |
M-BOM(製造部品表) | 製品を構成するために必要な部品や工程、生産資源をまとめた一覧表 |
購買BOM | 部品の購買に関する情報をまとめた一覧表 |
サービスBOM | 製品サービスや保守メンテナンスの情報をまとめた一覧表 |
なお、これら複数あるBOMは統合して管理することもできます。BOMを統合することで、製造業の上流から下流までの工程をすべて管理できる、企業の共通情報のインフラとなるなど、いくつかのメリットが見込めます。
BOMの統合化については、「統合化BOMとは?一括管理が難しい理由と特徴について詳しく解説」にて詳しく解説しています。
BOMの代表的な管理方法
ここまで、BOMの基礎概要について解説しましたが、BOMの管理方法は主に3つ考えられます。それぞれのメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。
方法1.紙
製造業では「紙」で部品を管理することがあります。昔ながらの管理方法で、パソコンやインターネットを必要としません。パソコンを使った複雑な操作をしないため、誰でもすぐに始められるのが特徴です。
しかし、紙で部品表を管理すると、紛失のリスクが伴うほか、データを復元・複製することが困難になります。また、部門間で情報を共有する際に時間を要してしまいます。
これらのことから、部品表を紙で管理する企業は少ない傾向にあります。とはいえ、紙とペンがあればどこでも管理できる方法であるため、やり方を覚えておいても損はありません。
【紙のメリット】
・始めるまでのハードルが低い
・紙とペンがあれば管理できる
・初期費用を必要としない
【紙のデメリット】
・紛失するリスクがある
・利便性が極端に悪い
・情報共有が難しい
方法2.エクセル
2つ目の方法として、「エクセル」による管理があげられます。中小企業から大手企業まで、多くの企業が採用している管理方法です。
Windows系のパソコンであれば、最初からインストールされていることが多いため、低コストで部品表を管理できます。パソコン操作に慣れていない人でも手軽に始められるのがメリットです。
しかし、エクセルは人によってやり方が異なるため、設定や管理方法が勝手に変更されてしまう可能性があります。また、使える機能はそこまで多くないことから、「利便性を求める」「素早く社内共有したい」という場合は、別の方法を検討してもいいかもしれません。
【エクセルのメリット】
・手軽に始められる
・パソコンの操作が不慣れでも管理できる
・初期費用がほとんどかからない
【エクセルのデメリット】
・人によってやり方が異なる
・使える機能が多くない
方法3.BOMシステム
「BOMシステム」を使って部品を管理するという手もあります。BOMシステムとは、部品表を効率的に管理するための仕組みのことです。
BOMシステムを活用することで、製品に必要な部品情報の統合的な管理が可能になります。それだけではなく、各部門へのスピーディな情報共有もできるため、「プロジェクトをスムーズに進行させたい」という場合におすすめです。
しかし、ほかの管理方法に比べて初期費用が高くなりがちです。また、紙やエクセルを使った管理方法に比べて操作性が複雑であるため、パソコンの操作に慣れていない人にはあまり向いていません。
【BOMシステムのメリット】
・利便性に優れている
・社内で素早く共有できる
・管理を効率化できる
【BOMシステムのデメリット】
・初期費用が高くなりがち
・パソコンの操作に不慣れな人には向いていない
効率的に管理したいならBOMシステム
3種類の管理方法を紹介しましたが、それぞれにメリット・デメリットが存在します。そのため、人によって適した管理方法が異なります。
しかし、BOMを効率的に管理したいのであれば、BOMシステムが第一選択肢になるでしょう。
製造業を営む多くの企業では、部門ごとの業務に合わせてBOMが構築されています。実はこの状況はあまり効率的ではなく、本来であれば全部門で共通のBOMを利用したほうが、社内の部品を効率的に管理できるのです。
現状、ほとんどの企業は複数のBOMを活用し、それぞれ異なるシステムで運用しています。その状況を改善して効率的に管理するためには、BOMシステムの導入が非常に有効です。
BOMシステムを導入して各部門のBOMを統合させれば、従来のBOMに製番の概念を導入し、生産設計に必要な工程手順や需給ルートの情報を一括にまとめられます。
また、特定の部品を使った製品を瞬時に探せるというメリットもあるため、生産管理を効率よく進められます。
コストや操作性などの懸念点はありますが、「BOMを効率的に管理したい」という場合はBOMシステムがおすすめです。
BOMシステムの機能
BOMシステムには複数の機能が備わっています。代表的な機能としては、以下の4つがあげられます。
BOMシステムの機能 | 内容 |
BOM(部品表)管理機能 | ・部品表や設計、生産などを属性ごとに管理できる ・どこに何のBOMがあるのかが明確になるため、部品表の間で矛盾が生じづらくなる |
BOM(部品表)更新機能 | ・自動的に部品表の変更履歴を管理してくれる ・設計部門で情報共有が容易になるため、伝達漏れや設計ミスを防止できる |
在庫管理機能 | ・部品表以外にも製品の製造工程に沿って管理できる ・製品が完成するまでにかかる時間が明確になる |
製品管理機能 | ・製品を属性ごとにわかりやすく管理できる ・製品情報を紐付けて登録できるため、製品の図面を探す手間が省ける |
これらの機能を用いてBOMを効率的に管理できます。BOMシステムについて詳しく知りたい方は「いま話題のBOMシステムとは?活用するメリットや機能性を解説」を参考にしてみてください。
まとめ
本記事では、BOMの代表的な管理方法、効率的に管理できるBOMシステムを解説しました。
製造業においてBOM(部品表)は重要な役割を持ちます。そのBOMの管理方法として、「紙」「エクセル」「BOMシステム」の3種類を紹介しました。
それぞれの方法にメリット・デメリットがあるものの、効率性を重視するのであればBOMシステムに分があります。社内情報を素早く共有できるだけでなく、生産性の向上にも期待が持てます。
なお、本サイトを運営する株式会社クラステクノロジーも、「Celb」というBOMシステムを提供しています。本サービスでは、情報の分散化・俗人化・不整合の根本的な改善と、情報管理の手間やコストの大幅な軽減を実現します。
また、BOMに関する質問や相談も承っておりますので、「BOMシステムについて教えてほしい」「BOMシステムのメリットを知りたい」という方は、ぜひお気軽にご相談くださいませ。
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